計算書各種

計算書とは

小型船舶における計算書は、設計意図が法規制(船舶安全法やJCI基準)に適合し、かつ海上での実用的な安全性(マージン)を確保していることを、数学的・物理学的に証明する重要な文書です。

単に図面を作成するだけでは、船の真の性能や安全性は担保されません。高度な数理計算によって導き出された数値こそが、その船舶の「信頼の裏付け」となります。

計算業務の本質は、複雑な法規制と高度な造船工学の橋渡しにあります。
弊社では、精密なシミュレーションに加え、20年以上の検査実績に裏打ちされた知見を投入します。

審査機関(JCI等)との円滑な合意形成、そして何より「海の上での安心」を、精緻な計算書という形で支えてまいります。

サービス一覧

株式会社Fwk社は下記の計算書作成を専門的にサポートしています。

重量重心トリム計算書

「船のバランスと、浮き方の姿勢を計算したレポート」です。
船体、エンジン、燃料、乗客などの全ての重さを集計し、船が水上で「どのくらい沈み、どのくらい前後へ傾くか(トリム)」を数値でシミュレーションした書類です。

船の「重量管理」の根拠:船体・機器・燃料・乗船者など、すべての重量と重心位置を正確に把握
「浮き姿勢」の予測:荷物を積んだ時に、船首や船尾が沈みすぎないかを計算
燃費や性能への影響:最適な姿勢で走れるかを設計段階で検証


復原性計算書(各種書式に対応)

「船の『転びにくさ』を証明する、安全のカルテ」です。
船が波や風で傾いたとき、どれだけの力で元の姿勢に戻ろうとするか(復原力)を計算した書類です。

船がひっくり返ることなく、安全に航行できることを数値で証明します。必要書類は下記となります。

排水量等数値表(ハイドロテーブル)とは

船の「体重計と健康診断表」を一つにしたものです。
船は荷物や人を載せるほど深く沈みます。ハイドロテーブルには、船がどの深さまで沈んだとき(喫水)に、どれだけの重さを支えているか、重心がどこにあるかなどを、あらかじめ一覧にまとめたものです。

①:今どのくらいの重さを載せているのかを、水面の位置から素早く把握できます。
②:復原性計算書やトリム計算など、安全に関わるあらゆる計算の基礎データになります。
③:荷物の積み方や燃料の残量によって変わる船の状態を、現場で確認する際にも役立ちます。

復原力交叉曲線表(クロスカーブテーブル)とは

「船が傾いたとき、どれだけ元に戻る力があるかを一覧にまとめた表」です。
船が波や風で傾いたとき、元の姿勢に戻ろうとする力(復原力)がどのくらい働くかは、船の重さや傾きの角度によって変わります。
クロスカーブテーブルは、さまざまな排水量と傾斜角度の組み合わせに対して、復原力の大きさをあらかじめ計算し、一覧にまとめたものです。

①:傾斜角度ごとの復原力(=どこまで傾いても大丈夫か)を数値で把握できます。
②:荷物の量や乗船者数が変わっても、この表から安全性を確認できます。

・「倒れない性能」の証明:重心の位置や船の形から、復原力を精密に算出
・厳しい基準をクリア:法律(船舶復原性規則など)で定められた安全基準への適合を確認
・船主・乗組員の安心:万が一の荒天時でも、本船が持つ粘り強さを裏付けるデータ


旅客定員算定書

「船に乗れる人数の上限を、根拠をもって決める書類」です。
船の客室の広さや椅子の数、さらには甲板(デッキ)の面積などから、法律(船舶設備規程など)に基づいて「最大何人まで乗せてよいか」を算出した証明書です。

・安全の定員設定:万が一の避難時や船の安定性を考慮し、詰め込みすぎを防ぎます。
・スペースの有効活用:客室の形や座席配置から、最適な収容人数を導き出します。
・営業上の重要書類:この書類で決まった人数が、そのまま「最大搭載人員」として船舶検査証書に記載されます。


開口配置図

「船の水密(すいみつ)と換気を守る、開口の設計図」です。
船体にある窓、ドア、ハッチ、通風筒(空気の取り入れ口)などの「開口部」が、どこに、どのくらいの高さで設置されているかを示した図面です。

・浸水を防ぐ番人:波をかぶっても船内に水が入らないよう、適切な高さと「ふた(閉鎖装置)」があるかを確認します。
・安全基準の証明:法律(船舶区画規程など)で定められた「水密性の確保」を証明するための重要な書類です。
・船内の呼吸を管理:エンジンルームや客室への適切な給気・排気が行われる配置かをチェックします。


総トン数計算書

「船の『重さ』ではなく、『容積(大きさ)』を証明する書類」です。
船の世界でいう「トン数」は、体重のような重さではなく、「どれだけ広いスペースがあるか」という容積を表す単位です。この書類によって、その船の公的なサイズ(総トン数)が決定します。

・「重さ」ではなく「広さ」:船体内部の閉囲された空間のボリュームを計算します。
・船の「戸籍」の基準:登録、税金、保険料、港の使用料などを決める「物差し」になります。
・資格と規制の境界線:5トン・20トンといった小型船舶の区分から、数万トンを超える大型船に課される国際条約の適用基準まで、その船が守るべき法律や必要な免許を決定づけます。


損傷計算(区画浸水計算、損傷時復原性計算)

「万が一、船体に穴が開いても沈まないことを証明するシミュレーション」です。
船の一部が壊れて浸水したと仮定し、その状態でも船がひっくり返ったり沈没したりせず、安全に浮き続けられるかを計算した書類です。

・「最悪の事態」を想定:衝突や座礁で船内に水が入った状態をあらかじめシミュレーションします。
・不沈性の証明:浸水しても水面が甲板を超えないか、バランスを保てるかを厳密にチェックします。
・命を守る設計図:特に多くの人が乗る旅客船では、この計算によって船内の壁(水密隔壁)の位置が正しく決まっているかを国や機構が審査します。


船殻強度計算

「船が波や荷物の重さに耐え、壊れないことを数学的に証明するチェック」です。
船は海の上で想像を絶する力(水圧や波の衝撃)を受けます。その力によって船体が折れたり、ひずんだりしないよう、板の厚さや骨組みの強さが十分であるかを計算で確認します。

・「折れない・ねじれない」を確認:巨大な波に乗った時、船体が弓のようにしなる力(縦強度)に耐えられるかを算出します。
・「凹まない」を設計:深い場所での水圧や、重い貨物を積んだ時の床のたわみを計算し、適切な補強を配置します。
・安全の数値化:長年の航海に耐えうる「タフさ」を、物理法則に基づいたデータで裏付けます。
その他お気軽にご相談ください。


※上記以外の計算書についても対応可能ですので、特定の要件やご相談がある場合は、同社までお問い合わせください。

サービスの流れ

1
お問い合わせ・ヒアリング

船種、船体番号、現在の検査証書の状態、およびご要望(改造、検査期限など)を確認します。

2
現状分析・お見積り

必要となる計算や図面の有無を確認し、最適なプランをご提案します。

3
データ収集・実船計測(必要な場合)

図面がない場合は、現地での計測作業を行い、正確なデータを収集します。

4
書類作成・計算実行

専門スタッフがJG/JCIの基準に基づき、提出書類一式を作成します。

5
申請・受検

管轄の機関へ書類を提出。検査当日のサポートも行います。

6
証書交付・納品

無事に検査を通過した後、新しい船舶検査証書等の受領を確認し、業務完了となります。


よくある質問

Q
古い船で図面が一切残っていません。それでも計算書の作成や検査は可能ですか?
Q
他社で設計された船ですが、計算書の再作成や追加計算は依頼できますか?
Q
エンジンの換装を考えています。主機や補器、その他船の改造時に事前の相談は必要ですか?
Q
費用はどのくらいかかりますか?また、見積もりに必要なものは何ですか?
Q
計算書の作成だけ(図面作成だけ)を依頼し、JCIの受験は自社で行うことは可能ですか?

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